
「楽園」
美しい高級観光リゾート地のモリディブで非常事態宣言が発令されました。
日本人なら誰しもが憧れるリゾート地では現在、政治危機が混迷の一途を辿っています。
15日間の非常事態宣言ではありますが、本当に暫定的なもので終わるのでしょうか?
軍の部隊が重武装をし、最高裁にまで突入しています。
今回の非常事態宣言でリゾート地への観光旅行はどうなるのでしょうか?
一連の流れと共に、モリディブ政府の旅行者への意向も紹介します。
モルディブの元大統領逮捕!ツイッターと画像!
A large number of @PoliceMv around my residence. To protect me or to arrest me? No idea. @USAmbKeshap @AkhileshIFS @MNDF_Official @hrcmv @amnesty
— Maumoon Abdul Gayoom (@maumoonagayoom) February 5, 2018
モリディブの現在の大統領はアブドラ・ヤミーン(Abdulla Yameen)です。
今回逮捕されたのは、元大統領のマウムーン・アブドル・ガユーム(Maumoon Abdul Gayoom)氏(80)です。
現大統領:アブドラ・ヤミーン(異母弟)
元大統領:マウムーン・アブドル・ガユーム(異母兄)
2人の関係は赤の他人ではありません。
現大統領ヤミーン氏の異母兄にあたるのが、逮捕されたガユーム氏です。
ガユーム元大統領深夜の12時過ぎのナイフを持った武装兵達のこともツイートしていますね。
なぜ最高裁を狙ったのか
ヤミーン大統領は敵対する反体制派への取締を強化し収監してきました。
それも数人ではなく、ほぼ全員をです。
モルディブといえば、高級観光リゾート地としてのイメージもありますが、政治状況の危機もありそのイメージを傷つけてきていたのです。
最高裁は2月1日に以下を命じました。
- 反体制派9人の釈放
- 議員12人の復職(与党を離党して議員資格を奪われていた)
これに恐れを抱いたのはヤミーン大統領です。
最高裁の命令通りになれば次のことが起こる可能性があるからです。
- 野党側が過半数を占めることとなる
- ヤミーン大統領弾劾
このため、ヤミーン大統領は最高裁の命令に応じることを拒否していたのです。
主要野党勢力と協力していたのはガユーム元大統領でした。
ヤミーン大統領への反対運動を行っていたガユーム元大統領が逮捕されるに至るのです。
与党勢力:ヤミーン大統領←最高裁命令により危機感
野党勢力:ガユーム元大統領
そして、最高裁が狙われたのです。
非常事態宣言でモリディブのリゾート旅行はどうなる?
こちらの地図は、是非ストリートビューで歩いて頂ければと思います。
美しいです。
“モリディブの国民みんなが旅行者や観光客のためを思ってくれるに違いない”と思わされる程に美しいのです。
モリディブの首都マレ
モリディブの首都はマレです。
空港は、地図で見て右のフルレ島になります。
リゾート地もフルレ島ですので、旅行者には直接的な被害は及びにくいことも想像できます。
こちらの詳細は下で案内しています。
今回は首都マレでの逮捕連行事件が直接的な原因で非常事態宣言が発令されています。
元大統領のガユーム氏は30年に渡って大統領を務めてきました。
1978年に就任してから2008年までの長期の政権の中ではクーデターなども画策されましたが、これらを防いで来ています。
しかし、民主化運動の流れに抗えず、2008年にはナシードが大統領となり、2011年には異母弟のヤミーンが大統領となっています。
ガユーム大統領の当時には、ヤミーン大統領は観光・民間航空大臣を務めています。
観光に対して恩恵を受けていることもあり、観光産業への思いは人一倍あるのではないでしょうか。モリディブ貿易公社での会長も経験していますが、その間に不正を働き数億円に登る蓄財があるとも言われているのも同氏です。
モルディブ政府報道官の声明
政府報道官は2月5日に声明を発表しました。
「観光客の安全を保証する」
このことは、「この異常な期間を通して」として発表されています。
政府はこの度の最高裁命令を憲法に反抗するものと主張しています。
最高裁が下した命令は次の通りでしたね。
- 反体制派9人の釈放
- 議員12人の復職(与党を離党して議員資格を奪われていた)
大統領 VS 最高裁
現地政府はあくまでも、「平穏を促す」意向を発表していますが、旅行者は細心の注意を払うべきでしょう。
ヤーミン大統領の非常事態宣言発令の趣旨
「全ての市民及び国の平和と福祉を守る」ため
モリディブ政府の発表
モリディブの政府の発表は以下の通りです。
- 制限される権利もある、一方で一般の移動・サービス・ビジネスへの影響はしない
- 全ての国民と滞在中の外国人の安全を確保し、国際社会に対して保証するよう努める
移動・サービス・ビジネスへの影響を及ぼさないと発表すると共に、安全を確保することを国際社会に保証する様に努める旨の発表です。
観光産業で潤っていますので、ここが崩れれば国益自体を残ってしまいかねません。
そういった意味においては自浄努力も必至でしょう。
現地の日本大使館の呼び掛け
モルディブは、世界的に人気のリゾート地です。
年間120万人が訪れる程に観光が盛んなのです。
日本人もおよそ4万人が訪れていますが、今後の動向次第では観光への影響も懸念されるでしょう。
“首都マレに滞在する日本人に対し、不要不急の外出は控えるよう”
非常事態宣言が発令された時点で、モリディブ日本大使館の呼び掛けが発表されています。
外務省の対応
日本の外務省の対応は次の通りです。
- マレ島(フルレ島ではない※上記MAPを参考にしてください)に滞在・渡航する日本人に向け、注意するように呼び掛け。
- 不審な状況を察知した場合には速やかにその場から離れること。
- 政府や最高裁判所などの事務所・集会・デモなどに近付かない。
また、不測の事態に備えては当面の準備として以下の呼び掛けがあります。
- 食料と水の備蓄
- 燃料等の備蓄
- パスポートの確認
今回の件で不安な方も多いかと思いますので過去の事例を挙げておきましょう。
雰囲気の参考にして頂ければと思います。
実は、モリディブでは2008年にも非常事態宣言が発令されているのです。
2008年の非常事態宣言:
- 現地では外出禁止令は出ていない
- 空港の閉鎖制限の報告はされていない
- 運航便の制限などの報告はされていない
この時は一週間で解除されています。観光には直接的に影響は無かったとの見解もあります。
また、首都のマレ(マーレ)には観光旅行者がほとんど訪れないこともあり、今回もマレでの事件であることから、現地では冷静な見方もあります。
モルディブの玄関口はイブラヒム・ナシル国際空港ですが、この地域はマーレとは別の島となります。
観光などの旅行者はマーレを経由せずリゾート島に移動できますので、問題を感じないまま過ごすことも考えられます。
日本政府や外務省の最新の発表などは追記していきます。
新婚旅行や観光にも被害がないことをお祈りします。
モルディブ国民も観光者も自然も全てが無事であるといいですね。
最後までお読み頂きありがとうございました。