
「わたしがなかなか痩せないのはウイルスのせいだった?!」
この様に思われる方もいるのではないでしょうか?
“運動不足が原因ではない・・
“食べ過ぎが原因ではない・・。”
“食べすぎてない・・はず!!”
なかなか痩せないと思っていたら、原因がウイルスだった。
もしも原因が単なる体質とか生活習慣だけではないとしたら、少し救われる思いの方もいるかもしれませんね。
通称デブウイルスとも呼ばれ、“感染すると太る”と言われるウイルスは一体どのようなウイルスなのでしょうか。肥満への予防と治療法なども一緒にみていきましょう。
デブウイルスに感染すると太る?

デブウイルスと呼ばれる同様のウイルスの正式名称はヒトアデノウイルス36(ad-36)のことを指します。
Ad-36は、脂肪細胞を複製、分化して脂質蓄積を増加させることで知られています。また、インスリンの感受性を増加させたり、脂肪細胞のレプチンの分泌や発現を減少させることでも知られています。
そして、これらは人(ヒト前駆脂肪細胞 )にも影響を与えると考えられることが発表されているのです。
デブウイルスの動物での実験
ラットにヒトアデノウイルス36を感染させる実験の結果、感染した動物が肥満になる結果がでました。
人のデブウイルスの抗体検査

人のヒトアデノウイルスの抗体検査の結果ですが、
肥満患者の人の30 %はこのウイルスに対する抗体を持っていました。
一方で、
肥満でない人では 11 %がヒトアデノウイルスの抗体を持っていました。
抗体があるってどういうことでしょうか。簡単に言うと、そのウイルスに感染したこと、あるいは実際に感染している状態にあるということとなります。
抗体検査とは「感染したことがあるか、感染している」かと「感染していない」を判断する検査です。
要は、肥満患者の方がデブウイルス(ヒトアデノウイルス36(ad-36)に感染している割合が3倍程度高い結果が示されています。
2009年4月医療仮説:参考
でも今のところ肥満のウイルス説はまだまだ証拠不十分で、専門家の意見はやはり過食を防ぎ運動を十分することが肥満の予防の中心だというところにあるようです。
アデノウイルス36の予防と治療法
では、アデノウイルス36の予防と治療法はどう考えられるでしょうか。
これまで紹介してきたデブウイルスですが懐疑的な目もありますし、様々な実験結果もあります。
アデノウイルス36が関わっているとしても人種や性別と関連しており肥満とは無関係だとするものもあります。
要するに、人での研究結果あっても限定的な研究結果でしかないとの見方です。
2016年CDCの年次調査では、アメリカ人の肥満率は30%を超えて30.4%と過去最悪と発表されています。全米保健医療統計センター(NCHS)の調査結果ではアメリカの成人の約40%が肥満との発表などもあります。
例えばWHO発表の肥満率は日本は4.5%、アメリカは31.8%となります。他にもワールドファクトブック(CIA)や経済協力開発機構(OECD)などのソースがあり、調査機関によって基準や内容はまた違ってきます。
確かに国によって肥満の度合いは全く異なりますよね。食文化や生活習慣の違いや文化そのものの違いもあります。
人種や性別と関連しており肥満とは無関係とする論にも説得力があります。こと性別に関しては日本においても男女で10%の開きがるのです。
ちなみに世界一位の肥満率を誇るのはナウル(オセアニア)です。肥満率はなんと71%ですから、食文化や生活習慣の違いは関係していそうですね。
平成28年 国民健康・栄養調査での結果は次の通りです。
肥満者の割合
▼男性29.5%
▲女性19.2%
諸外国においても男女差に開きが認められます。各国での研究がないと結果としては不十分だとの見解も一理あるのかもしれません。
例えば、逆説的に見ると、肥満患者がヒトアデノウイルス36に感染しやすいとも考えられるのではないでしょうか。
デブウイルスの存在は1900年代から発表がありましたが、実際に治療と言う形には至っていません。デブウイルスの研究結果に有意な差が認められていても、肥満=デブウイルスとはならないためです。
肥満ではなく、デブウイルス自体を感染ウイルスとして治療の対象としていくことはもう少し先のことになるようですね。
測定方法と基準が違うこともありますが軒並み30%を超えていることは他の諸外国と比較してみても大きな差を生んでいます。
まとめ
残念な結果か良い結果かはわかりませんが、「わたしがなかなか痩せないのはウイルスのせいだった」と言える日まではもう少し時間がかかりそうですね。
“運動不足が原因ではない・・
“食べ過ぎが原因ではない・・。”
“食べすぎてない・・はず!!”
と紹介しましたが運動と食生活は肥満に対して効果的なアプローチです。
適度な運動と健康的な食生活習慣を心がけて、肥満に対して接していくことが現段階での有効な手段と言えそうです。
ヒトアデノウイルス36は存在します。しかし、肥満患者の方の30%が抗体検査で抗体を持つ(感染歴がある)ことからも、70%は感染していません。
しかも、一定の地域の限定的な研究結果に過ぎないのですね。
あくまでも肥満の防止を前向きに捉えるための仮説ではありますが、肥満がヒトアデノウイルス36の感染を招くとしたら、やはり肥満ではない方が良いですよね。
そう考えても肥満とは良い距離を持っていきたいですね^^
最後までお読み頂きありがとうございました。